【フォーイット×Statista】
Statistaはまるで〇〇。フォーイット社流 探したいものを探す、から新しいものを生み出すためのリサーチ術
世界の主要な業界、市場調査や消費者動向に関するデータや統計を提供する世界最大級のデータプラットフォーム「Statista」。連載「データの達人に会いに行く」では、様々な業界や職種でデータを扱うプロフェッショナルをお招きして、データとビジネスの関係を伺っています。
今回は株式会社フォーイット(以下「フォーイット」)グローバルマーケティング事業部のF.K.さんにお話を伺うため、渋谷にある本社オフィスにお邪魔しました。日々どのようにデータと向き合っているのか、スタティスタ・ジャパン株式会社セールスマネージャーの古塘(ふるとも)が伺いました。
フォーイット社紹介と導入に至るまで
古塘:
まずは御社の事業やF.K.さんのバックグラウンドについてお話をお伺いできますか?
F.K.(フォーイット):
弊社は、親会社である株式会社フルスピードからアフィリエイトプラットフォーム「afb」運営事業を分離独立させ、2010年に設立しました。
国内事業部の主力事業である「afb」は、おかげさまで昨年15周年を迎えると同時に、アフィリエイターが選ぶ利用者満足度調査において高収入パートナー(月50万円以上の収入)からの満足度No.1を9年連続で獲得しています。
一方、私が所属するグローバルマーケティング事業部は、2017年に海外支援事業を開始し、2018年には台湾、2020年にはマレーシアにそれぞれ現地法人を設立しています。また、「afb」で培ったノウハウを活かし、2019年よりグローバルアフィリエイトプラットフォーム「Webridge」の提供を開始し、そのローンチと合わせて、同年12月にタイ・バンコクにて、世界中のアフィリエイト関係者が集う「Affiliate World Asia 2019 in Bangkok」にも出展しました。
主力であるアフィリエイト事業の他、越境EC事業、KOL/インフルエンサー事業、SNS事業、App事業、広告出稿事業、メディア事業を中心に展開しており、どれも日系企業の海外進出/海外企業の日本参入を支援するためのサービスです。これまで多種多様な業界で200社以上の広告主様の支援を行ってまいりました。
また、私個人のお話をすると、2016年にデジタルマーケティング業界に飛び込みました。一番長い経験はSNSの運用で、これまで100以上のスポーツから行政までさまざまなジャンルのアカウントを運用し、昨年から事業部広報として所属事業部が手掛ける全サービスの広報業務全般に携わっています。
古塘:
ありがとうございます。まず、フォーイット様では過去にリサーチ関連の外部サービスを導入された経験がなく、導入時にハードルがあると伺っていましたが、改めてStatista導入の経緯と決め手についてお聞かせいただけますか?
F.K.(フォーイット):
まず、Statistaを知ったのは昨年初秋、事業部広報業務の一環として、所属事業部で展開している全サービスの概要資料を作成していくにあたり、越境ECの市場規模がわかるようなデータがないか探し始めたのがきっかけでした。
スマートフォンの普及、インターネット人口の増加、決済方法の簡素化、インフラ整備に加えて、2020年から続くコロナ禍はオンラインショッピングに大きな追い風となっていることは、肌感覚はもちろん、各広告主様の売上が右肩上がりになっていることからも実感していたのですが、世界全体で見たときの越境ECの市場規模やその成長率のスピード感については、お恥ずかしながら、正確に把握しているとは言い難い状況でした。
そういった経緯で、最初に出会ったStatistaのデータがこちらでした。
https://www.statista.com/statistics/379046/worldwide-retail-e-commerce-sales/
このデータを皮切りに、地域別のEC市場規模、オンラインショッピングの決め手や決済方法、COVID-19のオンラインショッピングへの影響など、ぜひ活用したい有益な情報を次々と見つけることができ、これだ!と、とてもテンションが上がったのを覚えています。
そこで、二次利用許諾を取らなければと思い、掲載可否のご連絡をしたのがはじまりです。導入については、真摯で細やかな対応、プラットフォームの使いやすさ、掲載データ内容、価格で総合的に判断して決定しました。
導入前後の変化と活用法 ‐ 公開資料、プレスリリース、ビジネスシードの模索まで –
古塘:
ありがとうございます。すごく前のめりで話を聞いて下さったのが、今でも印象に残っています。導入直後から顧客資料やプレスリリースなどに弊社のデータをたくさんご活用下さっていますが、5ヶ月ほど経過し、導入前後で変わったことなどはありますか?
F.K.(フォーイット):
導入前は、なにかデータを探すときは、検索エンジンで探すだけということがほとんどで、提案したい内容にそのデータがマッチしているかを最優先で考えることが多く、そのデータがどのような調査をして算出されたものなのか、データ元はどこなのか、そのデータ元は信頼に置けるのかということまでは正直気を配り切れていなかったこともあったと思います。Statistaは、データ元が確認できるサービスなので、その面で安心して利用できるようになりました。
また、現在の事業部広報というポジションに就く前から、メインで担当しているサービスの概要資料は自発的に作成していたのですが、その際にさまざまなサイトから切り貼りしていたためデータのフォーマットが統一されておらず、いまいちオフィシャル感に欠けることも気になっていましたが・・・今は全て解消されました!
古塘:
それは嬉しいです!弊社の統計データは外部出典、内部出典を問わず、フォーマットが統一されているので使いやすいと思います。F.K.さんもご契約前に「契約したらすぐデータをStatistaのものと差し替えたい」と仰ってましたね。
F.K.(フォーイット):
実は、私の中で、Statistaを導入した暁には必ず実行したいと思っていたことが3つありました。
1つ目は、各種サービス概要資料へのデータ掲載。既存サービスの必要性を立証できるようなエビデンスになりうるデータをとにかく探し、見つけたものの中から、該当サービスと親和性の高いデータをピックアップして、外部公開用のオフィシャルなサービス概要資料に掲載しています。
2つ目は、1つ目と似ているのですが、会社のコーポレートサイトに掲載するプレスリリースのため、信頼できるデータを引用することで、会社の信用度を高める狙いもあります。
また、弊社でお出ししたプレスリリースが、Yahoo!ニュースなど外部ニュースサイトでピックアップされることが多いため、そういう意味でも、信ぴょう性の高いデータを基にして事業を展開しているとPRできたらという意図もあったりします。ちなみに、導入してからすでに6回プレスリリースで活用しています!
3つ目は、個人的に一番難易度が高いのですが、新しいサービスやビジネス企画考案の一助とすることです。そのためには、Statistaをもっと使いこなし、より多くのデータに目を通すようにしなければと思っています。データを見て、その先にあるインサイトを捉えることができるようになるのが理想的かなと思います。
古塘:
1つ目と2つ目は、プレスリリースやサービス資料にデータを引用して下さっていてすでに実現されているような印象ですが、3つ目に関しては、先が長い話でもあるので難しいですよね。ここに関しては具体的に社内でどのようなコミュニケーションをとっていますか?
F.K.(フォーイット):
見つけたデータをベースに上長と話すことが多いですね。弊社が運営するグローバルアフィリエイトプラットフォーム「Webridge」は、公序良俗に反するようなパートナーは一切許可していないため、アダルトやギャンブル関連の広告主様は現状お取引していないのですが、海外ではスポーツベッティングなどを合法としているところも多いので、最近ではそういった業界についても調べ始めました。アフィリエイトプラットフォームとして、ファッション・コスメ等のECからソフトウェア・旅行・金融・エンタメ等とそのほか多種多様な広告主様にすでにご利用いただいておりますが、より国×ジャンルのバリエーションを増やすためにも、すでに導入している商材以外で、各国でどのようなジャンルのものが売れているのかを調べるのにStatistaを活用しています。
古塘:
確かにギャンブルで一律排除してしまうと洩れてしまう、新しい業態がありそうですね。その伸び代があるジャンルを探すためにStatistaを使って下さっているということですね。聞けば聞くほど、フォーイット様は本当にいろいろな場面で活用して下さっているなと感じます。
F.K.(フォーイット):
本当ですか?それでもまだ、活用できているか毎日不安です。(笑)
エビデンス探しにとどまらない仮説を立てるためのデータ探しと、新たな知識との出会いを生む 「散策時間」
F.K.(フォーイット):
インフォグラフィックス(世界で関心を集めるテーマをスライド1枚で分かりやすく伝えるコンテンツ)も面白いなと感じていて、これだけは毎日欠かさず新聞代わりに見るようにしています。
例えばロシアとウクライナの戦争に関しては、日本の報道ではあまり触れないようなことも知ることができ、その戦争で起こり得る影響やデータ通信制限についても知ることができました。
https://www.statista.com/chart/27002/vpn-search-surges-2022/
古塘:
全ての方にデータを身近に感じてほしい、と思っている私たちとしては、そのようなお言葉をいただけるのは非常に嬉しいです。かくいう私も、インフォグラフィックスが大好きです。仰る通り、日本であまり触れることのない国の情報やテーマも多くて面白いですよね。
ちなみに、インフォグラフィックスにも様々なデータがありますが、どういった観点でどのようなデータを⾒ることが多いですか?
F.K.(フォーイット):
業務上、アフィリエイト市場、デジタル広告、越境EC関連のデータを重点的に見ているので、自社サービスの必要性を実証するに値するか、そのデータからなにか新しい仮説が立てられないかという点でデータを見ることが多いです。
また、類似データがいくつかヒットすることがあるのですが、データを見比べて、その差異は何に起因するものなのかを考えるようにしています。あとは、最近はあまりできていないのですが、少し時間があった時は、Statista内をネットサーフィンするように業界やジャンルを問わず、様々なデータに目を通すようにしています。
というのも、普段は、Statistaでデータ検索する際は、プラットフォームの検索窓からキーワードを入れて、欲しいデータを探し出すというオーソドックスな方法を取っていることが多いのですが、そのようなキーワードは、基本的に自分の頭の中にあるものやたまたま見知ったものに限られてしまい、せっかくStatistaを導入したのに知識の幅が広がらないので、Statistics、Reports、Outlooks、Infographics、Global Consumer Surveyなどプラットフォーム内に用意されている様々なタブからランダムに入って、データトピック一覧をざっと見て、気になるデータを深堀りしていました。
古塘:
すごい、まさに私たちが理想的だとイメージする使い方をして下さっています!
もちろん明確にある調べたいものを調べることも一つですが、例えばインフォグラフィックスで今話題のものに触れたり、トピック一覧やデータを更新順に並べて気になるデータを拾ったりする「散策時間」でデータ感度は磨かれていく気がします。F.K.さんはStatistaをフル活用して、ご自身の業務範囲にとどまらず、ご自身の知見をどんどん広げられていますよね。
ちなみに、Statistaで便利だなと思う機能はありますか?
F.K.(フォーイット):
便利だと思う機能は、ダウンロードフォーマットが選べること、ソースが明記されており外部サイトにもそのまま飛べること、Dossier(特定のトピックに関連する統計資料集)を読めばそのジャンルに関する概要が一通りわかるのも便利だと思っています。
あとは、機能というより仕様かもしれないのですが、データに対して要約が書き添えられていることも個人的にはとても助かっています。
特に、数字の桁が大きくなった時にカンマなのか、ピリオドなのかで意味が大きく変わってくるので、要約にも目を通して、数字の認識に相違がないか確認することにも役立っています。実際に紙に「0」を書いて数字の認識に相違がないか、念入りに確認しているので。(笑)
古塘:
ありがとうございます。カンマとピリオドについては、私もよくわかります。(笑) 逆に使うのが難しい、改善してほしいことはありますか?
F.K.(フォーイット):
グローバルコンシューマーサーベイ(独自の消費者調査データベース)はとても良い機能だとは理解しているのですが、まだ使いこなせずにいます・・・情報量が多く、組み合わせが無限に存在するので、もっと使い込んで役立てたいところです。
それから、Ask Statista(リサーチャーによる調査サポートサービス)もリサーチ可能範囲が掴み切れていないところがあることと、質問の仕方によって求めている回答とのミスマッチも生じるので、、求める回答が得られるような質問の仕方を考える必要があると思います。
古塘:
率直なご意見ありがとうございます。両方、仰る通りだと思います。Ask Statistaに関しては、特性上ご要望通りのデータをいつも100%でお返しできるわけではないにしても、依頼を受ける私たちがきちんとお客様の意図を汲み取れるよう、さらに精進しなくてはと感じています。グローバルコンシューマーサーベイについては情報量が多い分、少しコツが要りますよね。その点はぜひ今後サポートさせて下さい!
データの「その先」にあるものを読み解けるようになりたい。データ感度を磨くために普段行っていること
古塘:
今後の業務で取り組んでいきたいこと、実現したいことはありますか?
F.K.(フォーイット):
複数のデータや消費者データから新しいサービスなど「こちらに活路があるのではないか」ということを見出せるようになれたらいいなと思います。
新しいクライアントを探す際に、お問合せをいただく場合もあるのですが、こちらからも常に探しにも行く必要があるので、その時にどの業界にアタックするか、どういったアプローチをすれば返信がいただけそうかなど、Statistaのデータはそういうものを考える材料にもなります。
そのために、データに対する感度を磨く必要があると考えていて、たくさんのデータに触れたいと思っています。普段から、データを探していく中で知らない単語や、キーワードになりそうなもの、例えばgreen e-commerce、clean tech など、これまで知らなかった言葉をスプレッドシートにまとめ、トレンドウォッチや新規事業へのヒントを探しています。 また、今まで見たデータで使えそうなものも、スプレッドシートにまとめてストックしておいて、いつでも振り返ることができるようにしています。
古塘:
なるほど、リサーチしたものをきちんと血肉とできるように、独自に管理する仕組みを作っているんですね。
F.K.(フォーイット):
社内でもStatistaへの期待値は高いので、その他の取り組みとして、月に一度、利用報告書(マンスリーレポート)を代表と上長に向けて提出しています。
古塘:
マンスリーレポートは具体的にどのようなことを書かれているのですか?
F.K.(フォーイット):
主なトピックとしては、データの活用用途、参加したStatistaのセミナー内容のまとめ、AskStatista利用内容、所感や課題などです。
課題はレポートで可視化し、できる限り次の月に解決できるよう動くようにしています。また、Statista本社で実施されているオンラインセミナーも聴講しているのですが、まとめることで聞きっぱなしにならない、ということもマンスリーレポートにまとめる利点だと思っています。
F.K.さんの思うStatistaとは?
古塘:
最後になりますが、Statistaを一言で表現すると?
F.K.(フォーイット):
博士です!「これ知っていますか?」となんでも聞ける存在です。
実は、今回事前にお送りしていた想定質問集に8ページにも渡る回答を記入して、インタビューにご参加いただいたF.K.さん。すごい熱量で、目を輝かせながらこれまでの取り組み、今後の抱負、Statistaの魅力を語ってくださる姿が印象的でした。貴重なお話をありがとうございました!
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